はじめまして。
98年に入社したので、19年目(!! 自分で書いてビックリした)の加藤と申します。
映像編集の仕事をする前は会席料理の板前をしていました。
まわりの方には『随分思い切った転職ですね』とよく言われるのですが、“素材を加工して提供する”というコンセプトは変わらないのでギャップは全くありませんでした。
きっかけは特になくて、何となく。
こう書くといい加減みたいですが、本当に気がついたら今の職場にいたというか導かれた感じ?
板前を10年やりました。
追い回しから焼き場(焼いたり揚げたり)、板場(お刺身)、煮方(吸い物・煮物)とそのお店ではだいたいのことができるようになりました。
そのくらいになると、目の前に扇状に選択肢が並んできます。
お店に残ってエグゼクティブになるか、本場の京都に行ってみるか、お寿司の勉強するか、ふぐ・天ぷら等専門店で働くか・・・
しかし、そのうちのどれかを選んだら自分の人生は「板前」で決まってしまうな、と思ったらどうにもこうにも違うんじゃないかと。
板前という職業は素晴らしいものです。突き詰めれば奥が深くて、たかが10年でわかったような顔してはいけないことも重々承知しています。
板前が嫌になったのではなく、板前しか知らない人生を送るのがあとで絶対後悔すると思ったのです。
そして、求人情報誌をパラパラめくってたまたま目に付いたところに面接しにいったら就職決まっちゃいました。
リサーチもなにも他のところと比較とかもしませんでした。
編集未経験者で30前の板前崩れをとってくれたのはラッキーというか、今では考えられません。時代ですね。
面接受けるときに作文を提出しました。
内容は尊敬する馳浩さんの事を書きました。
アマチュアレスリングでオリンピックに出場→国語教師→プロレスラー→国会議員、そして文部科学大臣と男としてのステージを変えてきた馳さん。
遠く及ばないけど、自分も景色の違うところで頑張ってみたいといった文だったと思います。
思えば遠くへきたもんだ。今じゃ女房子供持ち。
現在自分が所属している国際部は「おはよう日本」「ニュース7」「ニュースウォッチ9」「これでわかった!世界のいま」「BSニュース」といった番組で国際ニュースを中心に活動しています。
日々移り変わる海外情勢を最前線で目の当たりにする大変やりがいのある毎日です。
「ニュース7」では数時間で放送に出るものを集中力で作る短距離走。
「これでわかった!世界のいま」では1週間で番組を作っていく長距離走。
編集マンとしての“速筋(そっきん)”と“遅筋(ちきん)”の両方が鍛えられます。どちらもチームワークでひとつのものを紡いでいく充実感がありますよ。
まぁ、さらに長い番組制作はマラソンですが。
包丁も研がないと切れ味が悪くなります。
自分も日々精進して編集マンとしての感性が鈍らないようにしていきたいと思います。